離婚後に子に養育費を支払っている場合の扶養控除について

[Q] 私は離婚後に長男に養育費として、月5万円を元妻に支払っています。元妻が引き取った長男を扶養親族にすることはできますか? 私も元妻も箕面市内の税理士事務所に給与所得者として働いています。

[A] あなたが、養育費を支払っている限りにおいては、長男を扶養親族とすることはできます。(但し、養育費を支払う約束になっていたとしても、実際に支払っていない場合は、そもそも長男を扶養親族にすることはできません。) 一方、元妻も長男と同居して養育していることから長男を扶養親族にすることはできます。

しかし、重複して扶養控除を適用することができないことから、長男はあなたか元妻のどちらか一方の扶養親族になります。

所得税法施行令 第219条第1項において、どちらの扶養親族となるかは、自由の選択に委ねることとしています。そのため、どちらか一方が、給与所得者の扶養控除等申告書(または所得税の確定申告書)に長男を扶養親族とする旨の記載をすれば良いこととなります。

しかし、上記の状況でないようなとき、(つまり、今回のご質問のような離婚後において揉めている場合)は、以下のような判断となります。

所得税法施行令 第219条第2項第1号により、「先」に給与所得者の扶養控除等申告書を勤務先に提出した者の扶養とすることになっています。つまり、給与所得者の扶養控除等申告書を勤務先に提出した日が早い者が、長男を扶養親族とすることになります。

それでも、定まらない場合(どちらが先に給与所得者の扶養控除等申告書提出してかが不明もしくは、判定が困難の場合)は、長男は見積もり所得の多い方の扶養親族となります。

*今回は、質問者も元妻も給与所得者ですが、仮に確定申告書の提出を要する自営業者であるならば、「先に」長男を扶養親族にする旨を記載した確定申告書を提出した者となります。

 

<根拠条文>
所得税施行令第219条 二以上の居住者がある場合の扶養親族の所属
法第85条第5項(扶養親族等の判定の時期等)の場合において、同項に規定する二以上の居住者の扶養親族に該当する者をいずれの居住者の扶養親族とするかは、これらの居住者の提出するその年分の前条第1項に規定する申告書等(法第195条の2第1項(給与所得者の配偶者控除等申告書)の規定による申告書を除く。以下この条において「申告書等」という。)に記載されたところによる。ただし、本文又は次項の規定により、その扶養親族がいずれか一の居住者の扶養親族に該当するものとされた後において、これらの居住者が提出する申告書等にこれと異なる記載をすることにより、他のいずれか一の居住者の扶養親族とすることを妨げない。

2 前項の場合において、二以上の居住者が同一人をそれぞれ自己の扶養親族として申告書等に記載したとき、その他同項の規定によりいずれの居住者の扶養親族とするかを定められないときは、次に定めるところによる。

一 その年において既に一の居住者が申告書等の記載によりその扶養親族としている場合には、当該親族は、当該居住者の扶養親族とする。
二 前号の規定によつてもいずれの居住者の扶養親族とするかが定められない扶養親族は、居住者のうち総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額又は当該親族がいずれの居住者の扶養親族とするかを判定すべき時における当該合計額の見積額が最も大きい居住者の扶養親族とする。

所得税第84条 扶養控除
居住者が控除対象扶養親族を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から、その控除対象扶養親族一人につき38万円(その者が特定扶養親族である場合には63万円とし、その者が老人扶養親族である場合には48万円とする。)を控除する。

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