マンション敷地内の駐車場を外部に貸し出した場合の課税関係について

[Q]
私はマンション管理組合の理事長をしております。昨今の車保有者の減少は当マンションでも例外ではなく、駐車場の空きスペースが目立ってきています。そこで、空いている駐車場の区画をマンションの外部の人向けに貸し出しをすることを検討しています。このマンション敷地内の空き駐車場の外部貸出しによる収入について、税務申告が必要なのでしょうか?

[A
マンション管理組合の課税根拠は、「マンション敷地内の駐車場の携帯基地局等のアンテナ設備を設置した場合の課税関係について」で説明しているとおり、マンション管理組合は「人格のない社団等」に該当し、法人税法上、「人格のない社団等の各事業年度の所得のうち収益事業から生じた所得以外の所得については、各事業年度の所得に対する法人税を課さない。」と規定されています。

今回、ご質問の空き駐車場の外部への貸出による駐車場収入については、
① 区分所有者に対する優先性がない場合は、区分所有者と非区分所有者の両者からの収入が課税対象になります。
② 区分所有者に対する優先性がある場合には、区分所有者からの収入は課税対象にはならず、非区分所有者からの収入のみが課税対象になります。

ここで「区分所有者に対する優先性」とは、区分所有者の使用希望がない場合にのみ外部使用を行うこととし、また、外部使用を行っている状態で区分所有者から駐車場の使用希望があった場合には、一定の期間(例えば3か月)以内に、外部使用を受けている者は明け渡さなければならないといった区分所有者を優先する条件を有していることです。

つまり、区分所有者の駐車場収入を課税対象に含めず、外部貸し出し者からの収入のみを課税対象にするには、管理組合の規定等にて「区分所有者に対する優先性」を規定する必要があるということです。

表にまとめると以下のようになります。

募集形態 募集条件 課税対象
区分所有者と非区分所有者(外部使用者)に対して、条件面において公平に区別なく募集 区分所有者から駐車場の使用希望があった場合には、外部使用者は明け渡す必要がない 区分所有者からの収入→課税対象
非区分所有者からの収入→課税対象
区分所有者と非区分所有者(外部使用者)に対して、条件面において区分所有者を優先する契約内容にて募集 区分所有者から駐車場の使用希望があった場合には、外部使用者は明け渡す必要がある 区分所有者からの収入→課税対象外
非区分所有者からの収入→課税対象

 

【区分所有者からの収入を課税対象に含めない課税根拠】
① マンション管理組合の組合員である区分所有者を対象とした「共済的事業」であること。

② 駐車料金は区分所有者がマンションの附属施設である駐車場の敷地を特別に利用することによる「管理費の割増金」と考えられること、

③ 駐車場の使用料収入は、区分所有者に分配されることなく、管理組合において駐車場の管理に要する費用を含めた管理費又は修繕積立金の一部に充当されること
からすれば、マンション管理組合が区分所有法による団体の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」という管理業務の一環として行われるものであり(区分所有法3)、収益事業たる駐車場業には該当しないと解しているところです。

(参照)国税庁 文書回答事例
マンション管理組合が区分所有者以外の者へのマンション駐車場の使用を認めた場合の収益事業の判定について(照会)