大阪府豊中市新千里北町2丁目40番E-103号  TEL: 06-6319-9121

2つの会社から役員給与の支給を受けている場合の社会保険の加入について-Ver.1(非常勤役員の社会保険)

[Q]
現在、私は株式会社Aの代表取締役として毎月50万円の役員給与の支給を受けています。当然に、株式会社A社において、社会保険に加入しております。この度、親族が経営する株式会社Bから毎月10万円の役員給与の支給を受けることになりました。私は株式会社Bの登記上の役員ですが、実態は非常勤役員になります。そのため、株主総会に出席することはあっても、日常的に出社して勤務することはありません。このような場合は、私は、株式会社Bにおいて社会保険に加入する必要がありますか。

[A]
原則として、日常的に勤務の状態を有しない非常勤役員は社会保険に加入する必要はありません。ここで留意すべき点は、「非常勤役員」であれば即、社会保険に加入する必要はないということではありません。また、非常勤役員であっても週3〜4日程度の出社の実態があれば、社会保険の加入義務が生じてきます。実際には、以下の1〜6の判断材料を鑑みて判断することになります。

一方、役員給与の多寡はあまり関係がありません。例えば、毎月15万円の役員給与の支給を受けている非常勤役員は、ほとんど出社しないのであれば社会保険に加入する必要はありません。(税務上、15万円を超える非常勤役員については、税務上問題となることがあるので、15万円以下での支給が望ましいと思われます。)

[根拠条文]
昭和24年7月の疑義照会では、「法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準として判断されたい。(P.7)」とされています。

いまいちよく分かりませんね。

そこで、平成26年に日本年金機構は以下のように、具体的判断材料を示しました。

【日本年金機構本部から示された判断材料】
労務の対償として報酬を受けている法人の代表者又は役員かどうかについては、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものであるかを基準として判断されたい。
[判断の材料例]→以下の1〜6について優先順位はありません。
① 当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか
② 当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか
③ 当該法人の役員会等に出席しているかどうか
④ 当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか
⑤ 当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか
⑥ 当該法人等より支払いを受ける報酬が、社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか
なお、上記項目は、あくまで例として示すものであり、それぞれの事案ごとに実態を踏まえ判断されたい。

ご相談、お問い合わせは、豊中市 千里中央の松田税理士事務所へ