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不動産仲介業の仲介手数料売上は、どのタイミングで計上するのですか?

[Q]
不動産売買においては業界の慣習上、契約時に50%が入金され、残り50%は不動産引渡し時(登記時)に行われるのが一般的です。では、不動産仲介業の法人が仲介手数料の入金について、契約時と引渡し時それぞれどのように売上を計上すればいいのでしょうか?

[A]
不動産仲介業の仲介手数料は原則として、売買契約日に収益を計上する必要があります。不動産売買の仲介、斡旋のような「役務の提供」は、その役務の提供の完了の時点で収益を計上する必要があるからです。不動産仲介業の「役務の提供」の完了は売買契約日となります。物件の引き渡しが終わっていないのに「役務の提供」が完了しているのは、何か不思議な感じもしますが、条文上はそのようになっています。(契約日以降に、ローン審査に通らない場合以外の理由によるキャンセルは違約金が掛かってくるのが通常です。)

つまり、原則は売買契約日に売上を100%計上します。しかし、上記のような商慣習があることから、継続することを要件として、(契約日には入金はなく)引渡日に100%の売上入金がある場合は、売買契約日ではなく引渡し日に売上を計上する処理も認められます。ただし、引き渡し日より前に(売買契約日など)一部でも入金がある場合は、その入金日(売買契約日など)に売上を計上する必要があります。

(例) 売買契約日:11月15日、契約金:500万円
1回目:売買契約日11月15日に200万円入金→11月15日に200万円の売上計上
2回目:物件引渡日12月1日に残金300万円入金→12月1日に300万円の売上計上

*原則として、上記事例の11月決算法人の場合は、1回目の契約日に500万円を今期の売上に計上します。ただし、継続適用を条件として、1回目の200万円を今期の売上に計上して、2回目の残金300万円は翌期の売上に計上することができます。

[根拠条文]
基本通達・法人税法
(不動産の仲介あっせん報酬の帰属の時期)
2-1-11 土地、建物等の売買、交換又は賃貸借(以下2-1-11において「売買等」という。)の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額は、原則としてその売買等に係る契約の効力が発生した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、法人が、売買又は交換の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額について、継続して当該契約に係る取引の完了した日(同日前に実際に収受した金額があるときは、当該金額についてはその収受した日)の属する事業年度の益金の額に算入しているときは、これを認める。(昭55年直法2-8「六」により追加)

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